The shariff don’t like it

2003年4月16日
■新しいパートナーの英語力は相当なものなのだけれど、電話会議に慣れていなくてぎこちない。それから彼はなぜか語尾のmの音に不思議と重いアクセントがかかって、アラビア語話者の英語に近い感じ。
 そのおかげかどうか知らないけど、電話の向こうのアメリカ人もちょっとこっちの理解に不安を抱いているようで、ゆっくりかみしめるように話してくれる。したら、
 
 
 
       な  ん  だ  よ 、 俺  で  も 
 

              わ  か  る  じ  ゃ  ん (爆)
 
 
 
 ネイティブとなんか組むもんじゃねえ。おかげであいつらぜんぜん手加減してくれなかったもん、今まで。
 俺の前でノリノリのトークされたってわかるわけねだろ、と。


■アラビア語には母音が3種しかなく、また母音をあらわす特定の文字がない。その結果初学者は、さながら中学高校の漢文のような補助記号が打たれまくった文献を読むこととなる。つまり、たとえば上野駅でみかけるようなアラビア語の注意書きは「初学者には読めん!」という事態が起こる。
 この「漢字読めるけど書けない」の逆のような現象が、アラビア語の特徴を如実に現している。
 アラビア語は口頭継承を重んじる言語であり、音韻論的な美しさに対する感性が鋭い。だがその分、「書く」ことに言語学習の重きを置く傾向の強い日本人には扱いづらい言語となっている。
 同時にアラビア語は非常にシステマティックな言語である。語の変化などの文法の規則性は高度に律されており例外が極めて少ない。母音の文字が不要な理由は、単に種類が少ないから、ではない。文法的な関係にもとづき各語の読み方が決定してしまうので、アラビア語話者にとって母音は強いて表記する必要がない、のだ。
 ちなみに冒頭で挙げた読解用の補助記号は、発音時に子音に付随する母音を示している。例を挙げるなら、ピカチューはPKCHとなる。これじゃわかんないときのために、各子音にくっつくように、i・a・uを意味する補助記号が入る。
 
 そして、僕にとってのアラビア語、だが、それは、「字はわかるけど読めない」言語だ、ついでにフランス語は「発音できるけど意味わかんない」言語、となっている。

     要はどっちも早々に挫折した、と。

 でも、どこからどこまでが一字か判別できるのはちょっとエライと思ってる。っていうか右から左に書くんだぜ、アレ。 
 
 
■という話を懇切丁寧にしてあげたにも関わらず、このご時世にアラビア語を始める友達が一匹。せっかくだから学部時代に買ってほぼ使いやしなかった英アラビア語辞典をあげることにした。有効活用しておくんなまし。
 
 

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